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【実験参加者へのご案内】
プレイヤーのみなさま(註1)、我々の研究への協力に感謝します。

人工生命ナザール (註2) と人間の能力の比較検討。それが本研究の主な目的です。


【あなたに与えられる課題】
本研究では複数の実験が行われます。
実験はステージ1とステージ2で構成され、プレイヤーにはステージ毎に異なる課題が与えられます。

・ステージ1の課題:指定された時間、ナザールから逃走すること。
・ステージ2の課題:できるだけ短時間で、規定数のナザールに接触し回収すること。

【ナザールの特徴:iPhone走性と不可視性】
ナザールには、プレイヤーが所持するiPhoneを追跡・捕食する習性(註3)があります。
ナザールを肉眼で見ることはできませんが、彼らの座標はこのアプリによって確認できます。

【ステージ1】
ステージ1の途中で、プレイヤーのiPhoneがナザールに捕食された場合、実験は即時中断されます(註4)。
ステージ1の長さは実験によって異なり、終了後すぐにステージ2が開始されます。

【ステージ2】
ステージ2が開始されても、ナザールの行動は変わりません。引き続き、プレイヤーのiPhoneを追跡・捕食しようとします。
しかしステージ2では、iPhoneに接触した瞬間に、ナザールは被験体チャンバーに回収されます。
規定数のナザールを回収した時点で、実験は完了となります。

ステージ2でナザールの回収に要した時間が記録され、データ集積センターに送信されます(註5)。


【実験1: Hounds】
5体の1型ナザール(通俗名 Hound)がプレイヤーを追跡します。1型は直径約20m、移動速度は時速60kmに達します。前方120度の視野に渡って、700m先のプレイヤーを知覚することができます。人間の身体能力を遙かに超えた高速型ナザールですが、旋回性能はそれほど高くありません。ステージ1の長さは5分。その間、実験参加者は1型から逃走しなければなりません。
なお、実験1は直径2000mのペトリディッシュ内で行われるIn Vitro実験です(註6-7)。

【実験2: A Chaser】
1体の6型ナザール(通俗名 Chaser)がプレイヤーを追跡します。6型は「減速できないナザール」です。プレイヤーの逃走スピードに合わせて6型の速さも変わりますが、プレイヤーの移動速度の半分までしか増速できません。そして、一度増速したら、それより遅くなることはないのです。ステージ1の長さは20分です。6型の特性を十分に考慮して、ベストな逃走法を考えてください。
なお、実験2はペトリディッシュが設定されないEx Vitro実験です(註7)。

【実験3: Living Dead】
数十体の2型ナザール(通俗名 Living Dead)に取り囲まれた状況で実験を行います。2型は直径4m程度と小型であり、その移動速度は人間が歩くスピードと大差ありません(強襲モードにある場合を除く:註8)。直径200mの小さなペトリディッシュが設定されます。

【実験4以降について】
現時点で公開できる情報はありません(註9)。

【重要】
このアプリは、GPSを連続的に使用しますので、iPhoneのバッテリーを急激に消耗させます。このアプリで遊ぶ際には、周囲の安全に十分配慮してください。

(註1)本研究では、実験参加者を慣例的に「プレイヤー」と呼称する。
(註2)トルコの魔除けとの類似性から命名された。点鼻薬とは無関係。NAZARはトルコ語で「邪眼」。
(註3)iPhone走性(iPhonotaxis)のこと。
(註4)本研究で用いられるナザールは、捕獲後無害化処理を施した個体に限定される。ナザールがiPhoneを捕食した際に、iPhoneならびにユーザーに対して悪影響が及ぶことはない。
(註5)Game Centerとも呼ばれる。
(註6)実験が実施される円形領域をペトリディッシュと呼ぶ。ここからプレイヤーが逸脱すると実験は中断される。
(註7)ペトリディッシュが設定される実験をIn Vitro実験、設定されない実験をEx Vitro実験と呼ぶ。
(註8)強襲モードはナザールの情動状態の一つで、プレイヤーのiPhoneに向かって高速で直進しようとする。強襲モードのNAZARは、旋回・途中停止ができない(と考えられている)。
(註9)ゲーム内の設定は全てフィクションです。